インボイス制度の基本と確認しておきたいポイント

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この記事は、社内イベント「お茶会」での発表内容をもとにまとめたものです。
今回は弊社の kaiden が、「インボイス制度」について話しました。
日々の業務の中では、取引を行ったり、経費を立て替えたりする場面が多々あります。
そうした場面で戸惑うことがないよう、今回のお茶会ではインボイス制度について改めて整理してみました。
※なお、本記事は2025年11月28日に行われた社内発表の内容をもとにまとめています。
01 インボイス制度とは
※本記事では、適格請求書を「インボイス」と表記します。
消費税には、10%と8%(軽減税率)という複数の税率があります。
こうした複数税率のもとで、取引ごとの消費税額を正確に把握するために導入されたのがインボイス制度(適格請求書等保存方式)です。
インボイス制度が始まる以前は区分記載請求書等保存方式が使われていました。
この方式では、請求書には主に次のような内容が記載されていれば問題ありませんでした。
- 請求書発行者の氏名または名称
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価の額
- 請求書受領者の氏名または名称
なお、小売業や飲食店、タクシー業など、不特定多数の人と取引する業種では、宛名の記載は省略できるとされていました。
しかし、インボイス制度の導入によって、請求書に求められる情報は次のように変わりました。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
このように、インボイス制度では登録番号や税率ごとの消費税額など、より詳細な情報の記載が必要になりました。
つまり、これまでよりも取引ごとの消費税の内容を明確に確認できる形式の請求書が求められるようになったということです。
インボイス対応書類の記載事項
インボイス(適格請求書)とは、取引の内容や消費税額などが一定の形式で記載された書類のことです。
具体的には、次のような項目が記載されている必要があります。
- 発行者の氏名または名称
- 登録番号
- 取引年月日
- 取引の内容(軽減税率対象の場合はその旨)
- 税抜または税込価額の合計額(税率ごと)
- 適用税率(10%または8%)
- 消費税額等(税率ごと)
- 宛名
この8つの項目が記載されている書類が、いわゆる「インボイス(適格請求書)」です。
なお、書類の名称は必ずしも「インボイス」や「適格請求書」である必要はありません。
必要な記載事項がそろっていれば、領収書・納品書・請求書などの形式であっても適格請求書として扱われます。
また、業種によっては簡易インボイスと呼ばれる形式での発行も認められています。
簡易インボイスの場合は、通常のインボイスと比べて記載事項が一部簡略化されており、宛名の記載は必須ではありません。そのため、宛名が「上様」や空欄でも問題ないケースがあります。
さらに、適用税率が記載されている場合は、消費税額の記載が省略できることもあります。
法令上の必須項目ではありませんが、「簡易インボイス対象である旨」を記載しておくと、取引先から「記載不備ではないか」と確認を受けることを避けられる場合もあるようです。
02 仕入税額控除
インボイス制度は、そもそも消費税の仕組みに関わる制度です。
消費税は、国内で商品の販売やサービスの提供などの取引に対して課税され、その取引で消費者から預かった税額を事業者が納付しています。
ただし、事業者自身も仕入れや外注などで商品やサービスを購入するときに、すでに消費税を支払っています。
そのため、受け取った消費税額から支払った消費税額を差し引いて納税額が計算されます。この差し引きを仕入税額控除と呼びます。
具体的な取引の例で、仕入税額控除の計算を見てみましょう。

このように、商品やサービスの提供で受け取った消費税額から、支払った消費税額を差し引いて納税額が計算されます。
そして、この仕入税額控除を行う際に、仕入れの取引内容や消費税額を確認するための書類として必要になるのがインボイス(適格請求書)です。
なお、インボイスを発行できるのは課税事業者のみとされています。
03 課税事業者とは
インボイス制度では、適格請求書(インボイス)を発行できるのは課税事業者のみです。
免税事業者であっても、適格請求書発行事業者の登録を受けた場合は課税事業者となります。
課税事業者とは、消費税を納める義務がある事業者のことです。
主に次のいずれかに該当する場合、課税事業者になります。
- 適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者
- インボイス発行事業者として登録すると、登録番号が付与されます。
- 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える事業者
- 基準期間とは、課税事業者かどうかを判断する際に用いられる期間のことです(具体的な期間は事業形態によって異なります)。
- 「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者を選択している事業者
- 新設法人または特定新規設立法人に該当する事業者
- 例えば、事業年度開始時点で資本金が1,000万円以上の会社などが該当します。
04 消費税の課税区分
ここまでは「事業者」に対して課税か免税かという話でしたが、消費税は取引の内容によっても扱いが変わります。
つまり、同じ事業者であっても、取引の種類によって消費税の課税区分が異なります。
消費税の取扱いは、大きく次の 4 つです。
課税取引
消費税がかかる取引。税率は 10% または 8% です。
課税取引になるためには、次の 4 つの要件をすべて満たす必要があります。
- 国内で行われる取引である
- 事業者が事業として行う取引である
- 対価を得て行う取引である
- 資産の譲渡・貸付、または役務の提供である
基本的には、多くの取引がこの課税取引に該当します。
そのため、課税区分を考える際は「課税ではない取引」を確認していく方が理解しやすいかもしれません。
非課税取引
法律で消費税を課さないと定められている取引です。
例えば
- 切手
- 土地取引
- 医療費
などが該当します。
例えば切手の場合、購入した段階では消費税はかかりません。
ただし郵送サービスとして利用する際には消費税が関係する場合もあり、少し分かりにくいケースもあります。
また、医療費などは非課税取引のため、インボイスのように税率が記載されることはありません。
不課税取引
そもそも 消費税の対象ではない取引です。
- 給与
- 寄付金
- 無償提供
- 国外取引
などが該当します。
また、日本法人を設立して日本国内取引として扱う形をとるサービスもあります。
免税取引
本来は課税対象ですが、政策的に消費税が免除されている取引です。
- 輸出取引
- 国際輸送
などが該当します。
まとめ
ここまで、インボイス制度の基本的な考え方と、確認しておきたいポイントについて見てきました。
インボイス制度は、消費税の仕入税額控除と深く関係しており、仕入れに関する消費税を控除するためには、取引内容や税額が記載された インボイス(適格請求書) が必要になります。
また、インボイスを発行できるのは課税事業者として登録された事業者のみです。
そのため、領収書や請求書を受け取る際には、登録番号の有無などを確認することが重要になります。
取引によっては
- 非課税取引
- 不課税取引
- 免税取引
など、消費税の扱いが異なるケースもあるため、取引内容に応じて区分を確認する必要があります。
なお、インボイス発行事業者かどうかは、次のサイトで確認することができます。
- 適格請求書発行事業者公表サイト
- 法人番号公表サイト
また、PDFなど電子データで発行された請求書や領収書は、電子帳簿保存法により電子データのまま保存することが原則となっています。印刷して保存するのではなく、受け取ったデータのまま保管するようにしましょう。
インボイス制度は少し複雑に感じる部分もありますが、基本的なポイントを理解しておくことで、受け取った書類がインボイスとして適切かどうかを判断しやすくなります。
日常の取引や経費精算の場面で、インボイスの内容を確認できるようになれば幸いです。
05 参考
インボイス制度や消費税の仕組みについては、国税庁の資料を参考にしています。

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