チンチラを飼い始めた話
ポケモンスリープを始めてから眠れません。
今回は弊社のある社員が「チンチラを飼い始めた話」をしました。
昨年の7月からチンチラを飼い始めました。
まだ日本ではあまり馴染みのない生き物かもしれません。今回はチンチラがどんな生き物なのか紹介したいと思います。
01 チンチラとは
チンチラと言っても猫ではなく、齧歯目チンチラ科チンチラ属に分類される齧歯類のチンチラです。
元々は南米が原産の動物で、標高 400 〜 1,650 メートルの山地の岩場などで群れをつくって集団で生活しています。
草食性で、個体にもよりますが、体長は約 20 ~ 35 cm。体重400~600gと大きめ。
そして寿命が約 5 〜 20 年以上と非常に長いのが特徴です。ギネスブックには 29 歳 229 日という世界記録が残っています。
そんなチンチラですが、薪用の森林伐採や鉱石用の採掘、また放牧による生息地の破壊、毛皮用の狩猟などによって生息数が減少しており、野生のチンチラは絶滅危惧種に指定されています。
現在家庭で飼われているチンチラは、
チンチラがほぼ絶滅しかけていた1932年に1人の鉱山技師により13頭のチンチラがアメリカに連れてこられています。この13頭のチンチラが今飼われているチンチラの祖先です。
出典:ハート動物病院「チンチラについて」
らしいです。
種類
大元になるのはこの 3 種類で、
- オナガチンチラ
- タンビ(チビオ)チンチラ
- コスチナチンチラ
ペットとして流通しているのはほとんどがオナガチンチラだと言われています。
さらにその中でも毛並みや色合いによって種類が細分化されていて、
などがあるそうです。
毛並みや種類によって値段が変わり、珍しいものになると50万円以上の値がつく個体もいますが、基本的には3万円~10万円程度で購入することができます。
また、産地によっても特徴が異なります。
- アメリカ産
- アメリカで品種改良されてきたチンチラ。大きくて毛並みが良く丈夫。
- 徹底した血統管理により、遺伝的な病気をなるべく発症させないよう掛け合わせが行われている。
- チェコ・オランダ産
- 毛皮を取る目的で量産された。
- サイズは小さめ。値段も低め。
エキゾチックアニマルとして80年代中頃から日本でも飼育されるようになったそうですが、冒頭でも言いましたようにまだ日本ではあまり馴染みのない動物かもしれません。実際まだわからないことも多いそうです。
02 チンチラの飼い方
必要なもの
チンチラを飼うのに最低限必要なものを下にまとめてみました。
- チンチラ用ケージ
- ステップ
- ウォーターボトルと水
- 砂浴び容器と砂
- 餌入れと餌(牧草・ペレット・おやつ)
- おもちゃ(回し車、齧り木など)
- 温度・湿度計
- ペットシーツ
私が揃えた時は、全部で大体4万円ぐらいでした。
リンクにも貼りましたが、温度計・湿度計やペットシーツ以外はチンチラ飼育セットとしてまとめて売られていたりします。
チンチラは運動が大好きな動物です。
なので飼育するには出来る限り広くて、縦にも大きいケージが推奨されています。よく飛び回るので、落下防止や移動しやすいようにステップをたくさんつけてあげないといけません。
さらに、温度管理も重要です。
初めに説明したように、チンチラは本来標高400〜1,650メートルの山地で暮らしています。なので飼育環境の温度や湿度はそれに合わせてあげないといけません。理想としては、温度20℃前後(15〜24℃)、湿度30〜40%。
チンチラが元気に生活するため必要なことなので、ちゃんと管理してあげるようにしましょう。
お世話
飼うのが難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、実際はそんなに大変ではありません。
臭いはなく、ほとんど鳴くこともないので、そういう意味でも飼育しやすい動物です。
基本的なお世話はこんな感じ。
- 餌やり(チモシーはいつでも食べられるように)
- 飲み水の交換
- 砂浴び
- 適度な運動(部屋んぽ、回し車など)
- ブラッシング
- ケージの掃除
- ケージの洗浄
ケージの洗浄とブラッシング以外は毎日やりましょう。
特に重要なのが「砂浴び」と「運動」です。
砂浴び
必要なものの項目で「砂浴び容器と砂」というのが出てきましたが、砂浴びはチンチラにとっての入浴に当たります。毎日欠かさずやらせてあげましょう。
チンチラは被毛の質を保つため、皮脂腺から「ラノリン」という油を出しています。それを定期的に除去しないと余分な油分で被毛が湿り、そこにゴミや埃が付着したり、毛玉ができてしまいます。
また砂浴びにはストレス発散という大事な役目もあるので、綺麗好きなチンチラには必要不可欠です。
チンチラは一つの毛穴から大量に毛が生えていて、厚い被毛を作っています。砂はその毛の間、更に皮膚に到達できるほどの細かさでないといけません。
部屋んぽ
部屋んぽは部屋の中を散歩させてあげることです。
チンチラにとって外の世界は危険がいっぱい。たまにリールをつけて外を散歩させている人がいますが、絶対にやってはいけません。代わりにケージから出して家の中を散歩させてあげましょう。
いつも狭いケージの中に閉じ込められているとストレスが溜まってしまうので、そうやって部屋んぽさせることでストレス発散になります(ケージの中に回し車を入れていてそれで遊ばせているので部屋んぽはさせていないという人もいるようです)。
部屋んぽの際には、下にあげたことに気をつけるようにしてください。
- 電化製品のコードを齧らせない
- 感電の恐れがある
- 壁と家具の間などの狭い隙間に挟まらせない
- 挟まって怪我をしてしまうことも
- 水に濡らさない。風呂場やトイレに行けないように
- 家の中からは出さない
- 気温の変化に敏感。車や動物など危険がいっぱい
- 部屋は綺麗に
- 落ちているものを食べると、消化されずお腹に溜まったり、チンチラにとって有害なことも
何が起こるかわからないのでしっかりと戸締りをして目を離さないように。
綺麗な部屋の中を散歩させてあげるようにしましょう。
部屋んぽ中のチンチラはとても楽しそうです。ものすごい速さで部屋の中を縦横無尽に駆け回ります。
その時に壁やテレビ台など、とにかくなんでも齧ろうとするので対策が必要です。我が家では、百均で売っているPPシートを壁に貼って齧れないようにしています。
03 飼ってみて
とっても賢くていろんな表情を見せてくれる動物だなーという印象です。
とにかく好奇心旺盛。部屋の中に新しいものが現れると気になって仕方がないようで、最近空気清浄機を買ったのですが、部屋んぽ中その周りを離れません。
頭がいい生き物なので、いろんなことを覚えます。
名前を呼んだら来るとか、ちょっとした芸を覚えたり。ケージの鍵の開け方まで勝手に学習します。
夜行性なので昼間はずっと寝ていますが、警戒心が強く音に敏感。
遠くで雷が落ちたり犬が吠えると驚いて目を覚ますことも。
毎日決まった時間に起きて動き出し、ご飯を食べて、部屋んぽをするといったリズムがあるみたいで、それが乱れると暴れます。そして天気が悪い日はあんまり元気がありません。
見ていて可愛いし退屈しない生き物です。
鳴き声
気分が良かったり怒っている時、警戒している時に鳴くことがあります。
- 機嫌が良い時
- 「プップップッ」「プープー」「キューキュー」
- 落ち着いた小さめの声。気分が良い、寂しい、甘えたいなどの感情を表す
- 「プップップッ」「プープー」「キューキュー」
- 警戒や威嚇、不満を表すときの鳴き声
- 「ギャッギャッ」「ブヒャッ」「グーグー」
- 豚みたいな声を出すことも。噛んでくる
- 「ギャッギャッ」「ブヒャッ」「グーグー」
- 発情期
- 「ワンワン」「アンアン」「ヴォッヴォッ」
- 欲求不満やストレスを感じている可能性も。まだ聞いたことない
- 「ワンワン」「アンアン」「ヴォッヴォッ」
ちなみにうちのチンチラは機嫌が良くても鳴きません。
これは警戒鳴きと言われるもので、何かを恐れている時にこの鳴き方をします。
例えば家にお迎えした初日などはこのように鳴いていました。
病気
飼い始めて1ヶ月ぐらい経った頃、朝見たら目の周りが少し赤い。ということ病院に連れて行きました(
チンチラを診てくれる病院はまだまだ少ないので、家の近くにそういった病院があるかどうか飼う前に調べておいた方がいいです)。
その時は、目に傷がついたのではないかと診断され、掻かないようにとエリザベスカラーを付けられ目薬を処方されたのですが、目薬をさすのは大変でした。
暴れて仕方がないのでタオルでぐるぐる巻きに固定するのですが、毛を濡らさないようにも気をつけないといけません。
数日目薬を続けてみましたが良くはならず、改めて病院を受診したところ今度は「皮膚糸状菌症」ではないかという診断。のみ薬を処方されましたが、のんでくれないのでおやつに染み込ませてあげていました。
結果的にその診断が正しかったようでそれから二ヶ月ぐらいで病気は治り元の状態に戻りました。
ちなみに「皮膚糸状菌症」は人間で言う水虫のようなものなので、人にも感染ります。私は手首がかぶれました。
他にも色々な病気があるので、少しでも様子がおかしいと思ったらすぐに病院に連れて行くようにしましょう。
- 熱中症
- チンチラは冷涼で乾燥した場所に住んでいた動物であり、暑さに非常に弱い
- 皮膚糸状菌症
- 幼少期に多い皮膚の感染症。水虫。皮膚のどこにでも起こる
- 下痢
- 糞は毎日観察
- 不正咬合(こうごう)
- チンチラには前歯と奥歯があり、一生を通してずっと伸び続ける
- 腫瘍
- 不正咬合が元で、膿瘍を形成することがある
- 癲癇
- 脳に構造的な病変がない「特発性てんかん」
- 脳腫瘍や脳炎、脳の奇形といった脳の構造異常が認められる「症候性てんかん」
家を留守にする時
しかしペットを飼うとなかなか家を空けることができません。
一応ペットカメラを導入していて、いつでも外から様子を確認できるようにしてはいるのですが、1 泊以上家を空けるのは不安です。
そういう時には友人や家族に面倒を見てもらうというのも一つの方法ではあるのですが、犬や猫と違って気軽に頼みにくい動物ではあります。そこで考えられるのがペットホテルやペットシッターです。
私はペットシッターのみ利用したことがあります。
ペットホテル
ペットホテルは1 泊 3,000円程度から。
なかなかチンチラを預かってくれるペットホテルの数は多くないので、近場にあればいいですが、そうでないと大変です。ホテルまでの移動にも、車を持っていなければタクシーを手配しないといけません。
動物病院がペットホテルのサービスをやっていることもあります。
ペットホテルという都合上、普段とは環境が違いますし、他の動物も一緒に預けられているので、やはりストレスがかかってしまうこともあるのかなとは思います。
ペットシッター
ペットシッターはペットホテルと比べて値段が少々上がりますが、家に来てもらってお世話をしてもらうので、そういう意味ではチンチラにストレスがまだかからないかもしれません。
自分がお願いした時は 1 泊 2 日で 2 回お世話をお願いして大体 1 万円ぐらいでした。
- 初回打ち合わせ費用:1000円〜
- 交通費:1000円以内
- お世話料金:一回3000円〜
最初に初回打ち合わせと言って、一度家まで来てもらい説明を受け、お世話のやり方を伝える機会がありました。その時に合鍵を渡しておいたので、当日は家に来てお世話をしてもらってその報告や写真などをLINEで受け取るといった感じでした。
特に気になる点もなくしっかりお世話と報告をしてくれたので、使ってみて良かったというのが感想です。
04 まとめ
チンチラを飼い始めたことで心が豊かになった気がします。いつでもフワフワでモフモフの生き物と接することができるのはとても素晴らしいことです。
年中エアコンや除湿機で室温・湿度を調節しないといけなくなったので、電気代が結構かかるのは少し苦しいですが、一緒にいてとても楽しいので、これから先20年以上、長生きしてもらえるようしっかりと面倒をみていきたいと思います。