技術カンファレンス-スタッフ参加のすすめ-

南で絶叫している人がいると思ったら、共鳴するように北からも叫び声が聞こえました。
ここ最近、近所の治安が悪化しているような気がするので、身を守れるようになりたいです。
この記事は、社内イベント「お茶会」での発表内容をもとにまとめたものです。
今回は弊社の maya が「技術カンファレンスのスタッフ参加」をテーマに話しました。
01 技術カンファレンスとは?
技術カンファレンスとは、特定の言語や技術、開発領域などにフォーカスして行われるイベントです。
登壇者による発表を中心に、スポンサー企業のブース、懇親会、ノベルティ配布、ハンズオン、LT(ライトニングトーク)、参加者同士が自由に話せるスペースなどが用意されることもあります。
オフライン開催が多く、実際に人が集まることで、オンラインとは違った盛り上がりや熱量が生まれます。
いわば“エンジニアのお祭り”のような場です。
言語や技術領域ごとのコミュニティによって、カンファレンスの雰囲気や文化にも違いがあり、DJ イベントを前夜祭として開催するケースもあれば、たとえば「スパゲッティコード」をモチーフにしてオリーブオイルをノベルティとして配るような、遊び心のあるイベントもあります。
こうしたカンファレンスの情報は、以下のようなサイトで探すことができます。
これらのサービスでは、カンファレンスに特化した特集ページやタグ機能が整備されており、参加者・登壇者・スポンサーなど、様々な立場から目的のイベントを見つけやすくなっています。
また、特集サイト以外でも、有志が作成した Google スプレッドシートが「カンファレンス一覧」として使われており、SNS を通じて共有されることもあります。
02 技術カンファレンスへの参加方法
技術カンファレンスには、様々な関わり方があります。
私自身も、最初は一般参加から始まり、興味が湧いたイベントではボランティアスタッフとして関わり、LTで登壇し、やがてコアスタッフとして企画や運営にも携わるようになりました。最近では個人スポンサーとしてイベントを支援することもあります。
いろんな立場で関わるうちに、カンファレンスが身近な存在に感じるようになってきました。
ここでは、それぞれの関わり方の特徴を簡単に整理してみます。
- 一般参加
- イベントのWebサイトなどから申し込んで参加する方法。発表を聞いたり、ブースを見て回ったりする。最近では、学生や U-29 向けに交通費や宿泊費を支援してくれるカンファレンスもある。
- 登壇者
- CfP(Call for Proposal)を通じて、発表したいテーマを応募する。選考に通るとスピーカーとして登壇できる。5 分前後のLT枠など、初めてでも参加しやすい形式が用意されていることもある。
- 当日スタッフ
- 受付や会場案内、進行補助などを担当する。当日だけの参加で、特別なスキルは必要ない。現場の雰囲気を体験したい人におすすめ。
- コアスタッフ
- カンファレンス全体の企画・運営に関わる。半年〜 1 年ほどかけて、会場準備やテーマ決定、広報などを分担しながら進めていく。
スタッフ参加で得られるもの

登壇や聴講とはまた違った形で、イベントの裏側に触れられるのがスタッフ参加の面白さです。
報酬が出ることは基本的にありませんが、Tシャツやトートバッグ、アクリルキーホルダーなどのノベルティをもらえることがあります。
スポンサー企業が配布するもののほか、コアスタッフが企画してデザインや発注まで行うこともあります。
運営に関わる中で、自分のアイデアを形にできる場面があるのも魅力のひとつです。
また、イベントによっては有料参加やスポンサー協賛で運営費をまかなうこともあり、事前に会計計画を立てて進めるケースもあります。
スタッフ同士の交流

スタッフとして関わる中で私が特に魅力に感じているのは、スタッフ同士で交流できることです。
同じ技術や分野に興味を持つ人が集まっているので、話題が合いやすく、打ち合わせや雑談の中から自然に会話が広がります。
- コアスタッフの場合
- 準備期間が長く、毎週のようにミーティングで顔を合わせるため、自然と仲が深まる。一緒に企画を考えたり、悩みを共有したりする中で、信頼関係ができていく。
- 当日スタッフの場合
- 前日の設営やノベルティ準備で事前に顔を合わせるため、この時点で交流が生まれる。当日はチームで協力しながら作業を進めるうちに、会話をきっかけに打ち解けていく場面も多い。
イベント当日は、開発の工夫や運営の裏側、最近の技術動向など、普段の仕事ではなかなか聞けない話を聞けるのも嬉しいところです。
「最近こういうところでつまずいてて…」と話したり、「さっきのセッションのここが気になって」と意見を交わしたりと、日々の疑問がその場で解消される瞬間もあります。
個人的に、スタッフとして参加していて助かるのは、懇親会で“ぼっち”にならずに済むことです。
まず顔見知りのスタッフ同士で会話できるだけで、気持ちがぐっと楽になります。その流れで他の参加者とも自然に交流が広がり、次のイベントの誘いにつながることも。
こうした人とのつながりも、カンファレンスに関わる大きな魅力のひとつだと感じています。
これまでの参加歴

こんなふうに紹介していますが、実はカンファレンスに関わり始めたのは最近のことです。
ですが、そもそもエンジニアになったのは2022年4月なので、エンジニア歴で考えると、大半の期間で何かしらのカンファレンスに参加していたことになります。
下記は、これまでに関わってきたカンファレンスの一部です。
年 | イベント名 | 関わり方 |
---|---|---|
2023 | SECCON 2022 電脳会議 | 一般参加 |
Developers Boost | 一般参加 | |
Vue Fes Japan 2023 | ボランティアスタッフ | |
2024 | Object Oriented Conference | ボランティアスタッフ |
Developers Boost | 一般参加 | |
Vue Fes Japan 2024 | ボランティアスタッフ | |
アーキテクチャカンファレンス | 一般参加 | |
2025 | LT 登壇 | |
コアスタッフ | ||
コアスタッフ | ||
ボランティアスタッフ | ||
(予定) | 個人スポンサー |
SECCON に行ったときは、ちょうどセキュリティのことで悩んでいた時期で、飛び入りで LT をしたら参加者に励まされたことを覚えています。
BuriKaigi では、イベント名のとおり鰤しゃぶが出てきて驚きました。食べ物の名前がついたカンファレンスでは、その名前にちなんだものが出てくることもあるようです。
03 Q&A
スタッフ参加を検討している人が、気になるだろうなと思ったポイントをいくつか Q&A 形式で挙げてみました。
Q. スタッフをやると、目当てのセッションは聞けない?
A. 基本的には、シフト調整で融通してもらえることが多いです。
役割によってはセッション中に持ち場を離れられないこともありますが、「この発表だけは見たい」と伝えれば交代してもらえるケースがほとんどだと思います。
Q. スタッフ同士って交流できるの?
A. できます。当日はチームで動くことが多く、作業や準備の中で自然に会話が生まれます。
Q. いきなりスタッフはハードル高くない?
A. そんなことはありません。まずは一般参加で雰囲気を知ってからでもOKです。
当日スタッフだとそれほど大変じゃないので、興味のあるイベントがあれば気軽に応募してみるのがおすすめです。
Q. スタッフ募集はどこで見られるの?
A. 各カンファレンスの公式X(旧Twitter)やWebサイトで募集されるほか、connpassなどのイベントサイトでも募集が告知されます。
Q. スタッフ業って疲れない?
A. 正直、それなりに大変なところもあります。
イベント自体のスタートは11時でも、スタッフはもっと早く集合して準備をすることが多いです。
コアスタッフの場合は、開催までに毎週のように定例ミーティングがあり、基本的には任意参加ですが、参加しないと認識共有やタスクの割り振りができないため、私はなるべく出るようにしています。
ミーティングで決まった作業を自分の時間で進めないといけないので、作業時間も必要です。
一方で、当日スタッフは事前打ち合わせ・前日の準備・当日の運営で一区切り。
終わったあとは「楽しかった!」という気持ちでスッキリ終われることが多いかもしれません。
04 まとめ
カンファレンスには、登壇や聴講だけでなく、運営側として関わるという選択肢もあります。
スタッフとして参加すると、準備や当日の進行など、普段は見えないイベントの裏側に触れられ、技術以外の面でも得るものが多いと個人的には感じています。
作業は地道なこともありますが、同じ分野に興味を持つ人たちと話したり、一緒に動いたりする時間は純粋に楽しく、刺激にもなるのではないでしょうか。
特別なスキルがなくても始められるので、まずは当日スタッフなどから関わってみるのもおすすめです。興味のある方は、先に紹介したカンファレンス情報サイトなどを見てみると、色々なイベントがスタッフを募集しているので、気になるものがあれば一般参加で雰囲気を感じてみたり、思い切ってスタッフとして応募してみるのも良いと思います。
今回の発表が、そんな一歩を考えるきっかけになれば幸いです。

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